ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

浦沢先生と、トールキン教授と。

昨夜はNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』に漫画家の浦沢直樹先生が登場。

で、今日は『トールキンによる福音書―中つ国における〈神の国〉のヴィジョン』を読了。

 

どちらもすごく面白かった!!

 

 

 

トールキンによる―』を買ったのは、千葉の専門書店ですが

指輪物語を通してキリスト教を布教しよう!という押し付けがましさはなかったですね。

作者トールキン教授の、人生と創作のバックグラウンドとしてのキリスト教を知ることで

アッチ(聖書)とコッチ(指輪物語)の、つながりそーでつながらなかったパイプが開通して

風通しが良くなったような快感を感じました(笑)

より指輪の世界を深く楽しめるようになったと思います。

 

浦沢先生の番組は

「漫画の神様、僕の右手に下りてきてください!と念じながら描いている」という言葉と

長年タッグを組んでる編集者の方が先生を評して言った

「創作の神様に対してすごく素直でいられる人、とても開かれた心を持った人」

という言葉が、ものすごーく印象に残りました。

 

以前、ナルニア国ものがたりを読んだときの日記で書いたことだけど、

でっかくて深い物語、世界を丸ごとひとつ創造するような物語の作者となる人たちには、

「これは自分の力で作った!」という意識が、意外と薄い…というところが共通しているなあと思います。

もっともっと人智を超えた大きな「何か」が自分という器を通して物語っている。物語らずにはいられない。

自分の立場は創作者ではなく「語り部」に近いということを知りながら、

表現力を研く努力を怠らない人たち…。

 

ジャンルはまったく違うのだけれど、そんな感想を持ちましたねぇ…。