ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

近況とか、『RRR』の感想とか

WBC、やってたなぁ...。(もうとっくに終わりましたよ!)野球...似顔絵描いて、本作るくらい野球好きだったのに あの熱はどこいっちゃったんだろうな。

でも今大活躍してる選手たちのほうが、自分が野球はまってた頃の選手よりも自由で、肩の力が抜けてて、楽しそうで、それで超強いという、好ましいほうへ変わっていってるというのは雰囲気、インタビューの言葉から感じた。

木瓜の花

映画『RRR』を観ました。最寄り館での上映が終わってしまうと聞いて。

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観てる最中~直後は...

「ついに観てない世界線から観た世界線に来てしまった…私が嫌いなわけないだろ〜!! これよこれこれ〜ッッ‼️」

って終始浮かれてました。

かの "ナートゥ ナートゥ" はじめとにかく音楽がアガる! 猛々しいのにキュートな男たちのダンス!! 肩車アクションもいいけど私は進撃のけものフレンズが好き(観た人しかわかんないよ!)火矢が打ち込まれた部屋に都合よくTNT火薬〜💣💥笑っちゃった!! 「こんなの好きになるに決まってるじゃん~!」のてんこ盛り。心の中でわあわあ叫びっぱなし、ゲラゲラ笑ってた。森とともに生き、さらわれた一族の娘を救うため命を張る純朴な男(水)と、革命の戦士として育ち、父と仲間から志を託された男(火)のライバルにしてバディ...熱いですね...!

これ観た人わかると思うんだけど、主役の生き延び方は、「今の絶対死んでるよ!? なんでピンピンしてる!?」 っていうメチャクチャなファンタジーなのに、雑魚たち一人一人はすごく丁寧に「安心してください、致命傷です!死にました!」 ってリアルなやられ方する。超エゲツない。けど笑っちゃう。

「映画の勢いは国の勢い」 というのは確かに感じられて、お金とかマンパワーとか、インド・サスガ・インド...って思いました。ハリウッド映画や日本のアニメなどを研究し尽くし、少なくとも両方に親しんだ人のハートは狙われてたよね、いいトコ取りのパワーアップ版だなとか、そんなありきたりのことを考えた。

家族に「ドアノブは頭を使わないアクション馬鹿映画が好き」となぜか認識されてるので(そうじゃない映画も観るよ!)(心当たりはベイ版トランスフォーマーを何度も観たせい)身内でRRRの話はしづらかったり。いやRRRはストーリーもつらぬく思想もちゃんとしてるじゃない? ナートゥだって必然性あるシーンだよ? だけど説明するのめんどくさい。それで見知らぬ人のネット上の感想やファンアートを漁ることになる。いろんな視点からの感想も読んで、頷くことがありました。

この映画の世界観ではうまく隠れてしまったけど、インドにはたくさんの文化民俗宗教があるのに、それらが無視されていないか。インド映画がすべて「ボリウッド」ではない、地域性があるという指摘など(アカデミー賞授賞式のパフォーマンス演出の後にも、問題点が触れられていた)。

それと、コムラム・ビームのシーンとかエンディングでハッキリ感じたけど、歌と踊りにはこころの原始的な部分に訴えかけ、歓喜させ、ブチ上げる効果があって、そこにひとさじ「〇〇バンザイ!」 という国粋主義を混ぜ込まれたら「いいじゃん楽しければ!」 って一緒にバンザイしてしまう。人間はそういうのに弱いところがあって。エンタメが持つ 『魔力』 の一面だなってのも思いました。

主人公たちは帝国主義の権化たるイギリスを敵に回して戦う。現在ではあれが悪ということがハッキリしてるから、観る者は遠慮なく感情移入し、主人公ズの大暴れに喝采できる。でもぶちのめす敵の設定によっては、とても危うい作品ができるのではないか? ということ。

本編のナートゥダンスでブチあがるメンツには女性(←イギリス人同士で抑圧されていた側)や黒人のバンドマンがちゃんと入ってたから...「ナショナリズムだけではない、すべての自由を求める人を讃える物語」という意図は、伝わってきました。

芸術のちからを利用して国民の意識をひとつにまとめるのは、どの国家でもやってきて現在もやってる。そこのバランス取るのうまいな! けど怖いなっていうのも少し頭に置こう。と感じました。

背景が違うから意識しちゃうのか...「自由と権利は先人が戦って血を流して勝ち取ったもんだ!」 というのがコンセンサスがあるインドという国と、権利は、天のような神のような、フンワリと「上」にいる存在から与えられたものと感じてる国との違いみたいの。この映画の楽しさに、考えずに乗れる日本人って果たして幸せなのかどうなのか...とか感じました...。

警察官のラーマを通して、植民地支配の末端、暴動鎮圧や処刑などの仕事を被支配側の同国人にさせるという、取り込みと相互監視のいやらしさも描かれてましたね。日本も同時代に満州朝鮮半島で散々やってたでしょ...。そういうのもあとから思い出してグワーとつらくなったりしました。

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時間を置いて噛めば噛む程、いろんな味がしてくる映画だったな、RRR。血湧き肉躍る映画だった(私の子どものころは、それって香港映画の位置だったけど、香港もまったく違う情勢になってしまったから...)それは本当でした。すごいもんを観た~。

 

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