ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

漫画『僕はメイクしてみることにした』読みました。

Web連載で読んでいた「僕はメイクしてみることにした」の単行本が出たので、遅ればせながら感想を。読んでいてホッとする作品でした。

 

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変化したことのひとつが、化粧についての考え方です。

最初にスイッチを押すことになったきっかけは、麒麟がくるつながりのフォロイー/フォロワーさんがたが、楽しそうにネイルやコスメのつぶやきをしてらしたからです。ありがとうございます!(思えばこのドラマつながりで、色んな行動が変化しました…)

夏の終わりごろ 「もう少しキレイにしたい」と思い始めて、スキンケアと爪のお手入れからやっています。

あれほど「メイク嫌悪」、外見に気を使うことを憎んでいるくらいだったのに何という変わりよう...!

思春期になっても、見た目をどうにかしたいと思ったことがなく、入浴も洗顔もおっくうで、母親に呆れられるほどでした。

成人する前後、就職というステージに上がるころに「外に出る際のエチケットだ」「好感を持たれるためだ」と言われても、「ケッだれがしてやるもんか!」と抵抗していました。

でも「なんだ、自分のために、お手入れしていいんだ。これは『いたわり、手当て』だ」と、化粧に対する解釈が、変わりました(リクツっぽいですね)。

なにか、心の中のコダワリという障壁をひとつ、消すことが出来たのかもしれません。

考え方が変わってきたこと 《その1》 - ドアの猫穴

 

(メンズ)メイクの布教、お化粧の効果や素晴らしさだけを伝えるのでなく メイクに対する考え方・求めるものが人それぞれであることについて、キチンと触れられています。

 

私はどちらかというと、主人公と似た価値観で、メイクはセルフケアで、きれいに見せる・飾るためよりも私が気持ちいい、自己満足であることが優先です。でもそうではない理由でお化粧する人ももちろんいるのでそれを否定してはいけないなあ、と思いました。

主人公の同僚の女性のように「メイクをしないことが気持ちいい、自分に合っている」と感じてそうしている人もいます。

そして主人公の男性の友人がいるのですが…彼は「男だから化粧なんて必要ない」と思ってる点は自由に見えますが、「身だしなみならいざ知らず、男が、セルフケアのためにメイクなんて気持ち悪い」と主人公に言い放ってしまえること、それは実は彼の生き方にとっての「束縛」になってることが、だんだん明らかになります。

あと、もうひとりの登場人物、メイクの楽しさを布教したい、メイクが大好きな、主人公の「師匠」的なポジションの女の子がすごく…情熱的に戦略的に、かしこい人で…「こんなオタクになりたいっ」ってお手本ですね! w

主人公が頑張っている話を彼女がラジオで配信して、それに付いたコメントで今度は主人公が励まされる展開、ちょっと泣いちゃいました。こういう、「好き」の循環、布教する人もされる人も幸せになるやりとり、いいなぁ~って…!

 

大切なのは、メイクだけに限りませんが、「こうあるべきという空気に圧力を受けて『やらされている』『しなくてはいけない/してはいけない』という気持ちを、見直してみる」ということかな…と感じました。

メイクって、手間的にも経済的にも「どこまでどのくらいやるか」というサジ加減が難しく、モデルさんなどを見てしまうと「ここまで完璧にならなくては」と思わされがちで、振り回されてしまいそうになる(色々買わされてしまう…)けど。

自分が良いと思える、似合うメイクを見つけていくことは、大げさに言えば、「自己決定の訓練」で。「どこまでやるか」を「自分で決める」「自分で選ぶ」行為をする、その習慣をつけていくことでもあるんだな、と思います。

「私は僕は、どんな顔になりたい?」「自分にとっての『きれい』って何?」という、己との対話が必ずあって、その上での、それを外見にどう表現していくか? というのの楽しい実験と言うか、試行錯誤の繰り返しというか…。

相変わらず理屈っぽくて、すいません。

 

まあ深いこと考えずに、とにかく初めて化粧したいけど何から始めていいかわからない人のガイドとしてこんなにわかりやすいのはない! って感じです。学習漫画のメイク版です! ホントに参考にさせていただきました…。1冊完結でギュッとまとまっているのも嬉しいです。めちゃくちゃお勧め漫画です~。Webでも読めます。

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