ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

『霊験お初捕物控』シリーズ

天狗風―霊験お初捕物控〈2〉

実は宮部みゆき作品は、このお初ちゃんシリーズで初めて読みました。

まず、宮部さんの作品好きだわ。

いや宮部さんが、かわいくて好き(笑)

・・・というのは、某オフィスのサイトからの予備知識だけど。

サイトの日記読んでても、ほんっっとに「いいひと」の文章だなあっていつも思う。

素直に、誉め言葉で。

化け物や人死にが出てるのに、ホンワカ~。

たまたま時代物だったせいもあると思いますが、

人情に支えられ、人間の善の心に深い信頼を寄せる主人公がいて、

「彼女についていけば大丈夫!」 という安心感を持てる。

その主人公と読者を、さらにあったかくつつみこんでくれる作者のまなざしが注がれている。

そんなお話だと思いました。

 

この『天狗風』という作品は、女の美しさ・若さへの執着心と、

どうしてもそこに女の価値を置いてしまう世間の罪・・・みたいなものがテーマだけれど、

あとがきに掲載された対談の、宮部さんの言葉に、とても共感するところがあって。

昔は女性が押さえつけられたり自由を奪われた反面、限られた中で味わえた古いタイプの幸せがあったんじゃないか。

今、女の人もいろいろなことに挑戦したり、自分の人生を切り拓ける反面、そのことで追いたてられることによる疲労感もありますよね。権利を獲得したり開放された分、かつて持っていたある種の特権的な幸せを手放さざるを得なくなってきている。時代が下るにしたがって起こってくる幸せのありようの変化を、女性の歴史が語っているような気がするんです。

あー、女性作家さんの場合、すごく人で作品を判断してるかもしれないです、ワタシ(笑)

 

書店にいつでもいっぱいある、という安心感から

別に急いで読むことはない気がして、他の読みたい本より後回しになったりして。

熱狂的なファンにはならないかもしれない。

でも地道に既刊を集めていきたい、末長く読みつづけたい、と思いましたよ。

巨大「歩(将棋の駒)」の大暴れシーンは爆笑でした!

絵が想像できると、笑うところじゃないけど笑っちゃう(笑)