映画公開したばっかりなので、詳しくは書きませんが。ちょっとネタバレあり。
「訪れる者の心を映して有り様を変える世界」という設定は『はてしない物語』、
「ラスボスは自らの影」という設定は『ゲド戦記 影との戦い』を思い出させます。
いろいろな王道の世界観を含みながら、すごく今風の問題
(最近親殺し・子殺しの事件が多いからなおさら・・・;)と
宮部さんならではの優しさにあふれるストーリーでした。
幻界は、今まで読んだどのファンタジーの世界よりも
現実世界とぴったり寄り添うような。そういう意味ではとても近くにある世界に感じました。
あと、「鏡」って古今東西問わず、やっぱりどこか魔術を秘めたアイテムなんですね~。
宮部作品には『勧善懲悪』はないけれど『信賞必罰』はあるのだなあと。
ミツルは、ワタルと一緒に現世に帰ってくるには、あまりにも多くの命を粗末に扱いすぎました・・・。
ゴーレムのシーンはかなり、グエッとキました。気持ち悪かったです。
それでも、少し心残り・・・。
幻界に魂をとらわれた人でも、現世でいちおう生きてはいたんだから、
人柱になることが即ち現世での消滅を指すとは思えない。というか、思いたくないのです(願望)。
引っ越した先ですべての冒険を忘れてまったく違う人格のミツルとして転生している・・・?
そして、また現世でめぐり合って友達になれたらいいなあ・・・。
ちょっと、ミツルに未来がないような結末だったのが唯一寂しかったです。