ワタシにお勧め、ということでダンナさんが買ってくれました。
他の本やDVD観るのにかまけて、長いこと読まずに放置していた(ごめん)のですが
読み始めたらサクサクと読みやすかったです。
貧しく混沌とした戦後の虚無感、自殺未遂、苦しい闘病生活を綴った三浦氏の自伝なんだけど
抱える苦悩の割に、意外にも文章はカラッとしています。
それは執筆当時の三浦氏が、静かな心で生きていたことの表れなのでしょう。
まったく押し付けがましくなく、神を信じることの素晴らしさや、
命を与えられたことへの感謝が伝わってきました。感動しました。
読み終わったよ~おもしろかったよ~と報告したら、ダンナさんが
「三浦綾子さんっておまえと似てると思うんだよね・・・」と言いました。
いや、ワタシは三浦氏ほど突き詰めて「何のために生きているのか」
「私は愛されるに値しないのではないか」とか考えたことはないし、
豊かな時代に生まれ、五体満足で自分のことばかり考えて育ったグダグダ人間なんですけど・・・。
ちょっと美化しすぎじゃないかい?>ダンナ
でも確かに、良くも悪くも「女らしさ」がないところは、共感できました。
ワタシが思う「女らしさ」って、かわいらしさやしおらしさではなくて、
自己充足&環境順応型の思考ができるかどうか、だと思います。
「ワタシはこういう生き方しかできないんだもん」
「好き(嫌い)なものはしょうがないじゃん」
「まあいいか」「何とかなるさ」を軸にした世界で生きられる人こそが
女らしいなあと思います。
それって女性の持つ、生き物として備わった強さですよね。
ウジウジ理屈こねず、とにかく現実を受け入れて慣れる力は、絶対女性のほうがあります。
恋愛関係の未練をフッキるのも女の方が早いし(笑)。
時には男の人とのすれ違いの元だったりするけれど。
その性質自体は善とも悪とも、優れてるとも劣ってるとも言えないですよね。
ワタシは理屈っぽいし未練がましいし・・・
普通「女々しい」は男に向かって言う言葉だけど、
ホントに「女々しい男みたいな女」です(ややこしい)。
こういう、女らしさを運悪く? 持てなかった女は、
広く世間に認められたい・・・生きがいが欲しい・・・生きた証しを残したい、などなど
「理由」を求めて、フラフラウロウロするのだと思います。
三浦氏の苦しみって、戦争よりも病気よりも何よりも、
女らしからぬ「生きる理由」を強く追い求めてしまうところ、
「女に『魂』はない」はずなのに、ないはずの「魂」を求めてしまうところ、だったのかなあ・・・なんて。
とことん勉強して悩んで、一見ステキに思える男の人の好意を否定しまくって、
フラフラした後に三浦氏がつかんだ、生きる理由は信仰でした。
ワタシはそんなことでマジメに悩んだのは10代の一瞬だけで、
今はどっぷりと現状維持と妥協の日々です。
でも、こうして絵を描きつづけて公開したり、感じたことを書いて残そうとするのは
まだ「広く誰かに認められたい・何者かになりたい」という欲求が少しは残っているのかなあ?
とも、思います。