『信長の忍び』 最終巻になる23巻が刊行されました。単行本派の私にとっては、これにて、千鳥と信長の物語は完結、となります。
重野なおき先生、17年の長きにわたる連載、本当にお疲れさまでした...!(以下、ネタバレあり)
アニメ化がキッカケでこの作品に出会いました。声優さん登壇イベントにも参加しました。
(アニメもすごいんですよ...動きとテンポが、最高)(トムス&大地丙太郎監督)
信長と光秀はいろいろな創作で主従を越えたブロマンス関係になることがありますけども、この作品の信長光秀もまた特別な関係だったと思います。あーーーーわーーーーうわーーーーーっって。両片想いじゃん!!!! と...。
ずっと大切に思っていたのに、お互いの立場で背負うものがあって、そのために見えなかったものやすれ違いがあって、伝わらなかった。「信長が治める天下を見たくない」と思ったときに、光秀も自分の生きる指針を失ってしまったんだと思う。そのくらい心に占める大きさが大きくて、大きすぎたんだと思う。とてもつらいよ。
いろいろあったけど、両者の臨終に、架空のキャラクターの忍びたちが舞い降りて、それぞれの呪いを解いてあげて見送る。まるで天使みたい役割なの。遅すぎたけど、きちんと和解して逝く主従だった。
作者の願望をどストレートに乗せてるなってわかるけど、本能寺の変に臨む両者の感情なんて、誰にもわかりようがないのだから 創作者の思いをモリモリ乗せる腕の見せ所みたいな事件だと思ってる。私にとっては、全然いやじゃない…救いだったな…。こんなやさしい結末があるかー! と笑いながらツッコミを入れてます。
今、アニメの第0話を見直した上で、燃える本能寺での永訣のシーンを見ると、千鳥と信長の関係は 河原で出会った原体験から ぶれることはなかった...と感じました。お別れの時に、そこに帰ったんだなあと。
これまでで私が好きなエピソードは 設楽原の戦いで鳶ヶ巣山砦を奇襲する酒井忠次隊に同行した千鳥と、武田方の千代女の死闘だったんですが。
武田家の滅亡とともに退場したか、と思いきや あんな形でラスト、千鳥の道を拓くのが千代女だなんて...いや、彼女にしかできないことだけど! 熱い展開でした。
千代女も武田という仕える家を失うことになり、でも主に「生きろ」と命じられた忍びで、そこは千鳥と同じなんですよね。違うことは、助蔵という共に生きるパートナーがいないことか...。
並みの忍びなら戦いや影の活動の中で主家と運命を共にして斃れていくけど、千代女や千鳥は強さゆえに、家が滅びても、権力が移り変わっても、生きる。それでいて決して表の歴史には残らない存在。見守り、見届ける者 なんだなあ。武士たちが家のため大儀のために死ぬことが、繰り返される乱世の中で、違う束縛というか、行動指針の中で生きたのが、信長の忍び世界の忍びだった、と思います。どうしても「天使やん...」と思うのですね。
重野先生でなければなし得なかった唯一無二のジャンルの作品だと思っています。たくさん影響を受けました。今後も大河ドラマなど何かにかこつけて、周囲に 『信長の忍び』 を布教します。
まだサイドストーリー作品は終わってないし...官兵衛伝...!
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