ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

『信長の忍び』 19巻と、『雑兵めし物語』1巻を読みました。

なかなか、体力と集中力がなくなって、全然本を読めなくなっちゃいました…。やっと重野先生のW新刊を読みました!

 

で、また官兵衛どのを描く…。

19巻(の、三木城攻め)ではまだ頭巾をかぶってないんですね官兵衛どの...このあと頭巾をかぶるきっかけエピソードがあるのかな。こんなキリっとしてないですけど、私にはカッコよく見えてます! カッコいいんですっ!

あと、私が好きだったのは、石山本願寺の最期、東西分裂…。の中で、「あなた(如春尼)のことは好きじゃない。けれど生きてほしい、そのために私に出来ることをする」という三位ちゃんの行動、すごい、すごくないですか、こういうテーマを戦国時代が舞台のギャグ漫画に入れるって!? って誰かに訴えたくなってしまうほど感動したんですけど。

如春尼のほうも、よく「こんなアバズレが顕如の妻なんてな~」って感じで自虐しますけど、「自分は本願寺に集う門徒、みんなの『母』」っていう自覚はきちんとあるし、その器のひとだ! って思います。

三位ちゃんに対して、朝倉家の復讐のために本願寺の力を利用しようとしてることもずっと知ってて、息子の覚如との関係が冷え切っても何があっても、「おまえはずっとここにいていいんだぜ?」 っていう心で、三位ちゃんを見守ってたんだよな~って。

戦乱の時代に宗教者の妻であることの意味を理解し、どこにも居場所のない、絶望した人たちの拠り所であろう、とする彼女は、どんなかっこうしてても紛れもなく仏の道の人だと思いました…。

その義母の影響を受けて、「好きじゃないけれど、わかる」 義理の娘の三位ちゃんは、彼女を救いたいと自然に願うようになって、意図してなくても「仏の慈悲」を実践することになったんだな、って…なんというか、さあ! おたがいに「愛」だよ...! 素晴らしい義母と娘のシスターフッドを見せていただいた…!

雑賀孫市と三位ちゃんもさ~、前は「えっ覚如に愛想尽かした三位ちゃんが孫市とくっつくの?」 と思ったけど、ずっと男女のバディって感じで良かった~…! 信長にとっては手ごわい敵勢力で、物語の本筋ではないほうなんだけど、型どおりじゃない魅力的な人間関係があったよ、本願寺チーム…!

そして光秀がますます、アレのカウントダウンモードに…なんで…なんで…??

真心を信じられなくなって何でも言葉の裏を考えてしまう、優しい言葉が届かなくなってる、ツライ。藤孝さんとかこんなにやさしく接してくれてるのに~。まじめ過ぎる…。またタイミング悪く荒木村重の一族の処刑も重なってウググ…。

もうここから、史実あとわずか2年なので…心して最期まで見届けたい…!

 

そしてこちらが新シリーズ 『雑兵めし物語』 の最初の刊。オリジナルキャラ中心(舞台はリアル信濃&甲斐、有名武将も登場します)雑兵(飯のために戦う一般兵)と、村人・里人目線の戦国ものです。

戦の中でも料理への探究心旺盛な主人公が活躍する、重野先生いわく 「まったくお腹がすかないグルメ漫画」 だそうですが…。いや私けっこうどれも「食べたい…おいしそうじゃない? え??」 って感想でしたが…!?

ほうとう、この作品の中ではかなりの「ご馳走」レベルに入る料理だけど、ほうとうも大好きだし、「芋がら縄」はワークショップで作ったことあるし、昆虫食も平気なんですよね。

あとすべての料理に、「ここで作られ、食べられているようになったことには、ちゃんと理由がある」というのがよくわかって。それって年中どこでも同じものが買えて食べられるようになった現代の人間がすっかり失ってしまった感覚なので…そういうのってときどき省みないといけないことだなあ、と思いました。

前に図書館で、主に当時あった作物や使われていた調味料についてしらべたくて借りた本も、この漫画の理解の手助けになりました。「味噌、万能だな…」って感じではある。

どちらも、続きが楽しみです~!