テレビでやってるのを観ました。
大長編ドラえもんの原作はちゃんと読んで昔の映画も観たけど、それほどドラマニアというわけではありません。ホントに子供のころ触れたきりだから話はうろおぼえでした。
でも観ているうちに「ああこういうストーリーだった!」って思い出してきたし
美夜子のママとか「これは新しい要素だなー」っていうのもわかった。
初めて観たときは、自分がドラえもんやのび太のように生きながら石像に変えられて嵐の庭に放置されるのを想像して、すごく怖かったのを覚えています。
今回は子供のころとはまったく違うところをおもしろいなあと感じました。
藤子F先生はすばらしい作家なんだなーって。・・・今さら。
「もしもボックス」というひみつ道具を導入することで、「ここが世界の分岐したポイントなんですよ。のび太がもしもボックスを使う前と使った後で物語が区切られてるんですよ」というのが誰にでもわかるように整理される。ていねいな工夫だったんですねー、コレ。
時間移動とパラレルワールドを扱ったSF作品で読者(観客)の頭を悩ませがち&論争を呼びがちな部分を、これ以上なくわかりやすく描いた先生のセンスというかパワーというか、もうホントにすげー。
・・・うん、いつもそこで「なんとなく納得」「ココロで感じろ!」っていう作品多いから・・・(汗)
魔法世界では侵略の脅威は去ったけれど、その創造主であるのび太はまたもしもボックスを使って、何もなかったように世界をもとの軌道に修正して。
魔法の世界は私たちがいるこちら側とは、平和ながらも無関係に続いていくというのが・・・
今になって「これって100%ハッピーエンドだったのかなあ・・・」と感じるのですね。
まあ、長編でドラちゃんたちが訪れる世界はほとんど二度と行けない世界なんですが
この世界の場合、のび太がこのまま平和になった魔法の世界でいきたいという選択をすることも出来たんじゃないかと。
のび太がそうしなかった理由、現実世界に戻そうと決めたのはなぜか。
一切語られない部分に想像が膨らみます。
「風だよね、きっと」というのび太の最後のセリフとあいまって、ちょっとだけほろ苦くさびしい気持ちにさせられました・・・
うーん、名作。