ゆるおやこ
連休は 自分はそれなりに楽しかったなと思います。世界は休みなく揺れ動いているけど。
金曜ロードショーで、初めて 『君たちはどう生きるか』 を観ました。奇跡的に、この時までほぼ何も情報を入れず観ました。ユング心理学や河合隼雄氏の著作を読んでいた自分にとっては、とても「あ、知ってる」と声に出して呟いてしまう、親しみの持てる世界でした。
今までの監督作品のエッセンスをジックリ煮詰めて抽出したな~! 特濃だ~!! と感じたけど、それはそれとして 宮崎駿監督の家族や生育環境や、仕事仲間へのメッセージ等に、あてはめる読み方は私はしたくないなあと思いました。「あのキャラは誰々がモデルだ」、「あの事物は、駿監督にとっての〇〇のメタファーだ」としてしまうと、狭めてしまう気がして。
もっと自分に引き寄せて「わが世界」として観てもいいんじゃないかな? 自分の中にも、豊かで深くてわけがわからない「異世界のタネ」がある、と思って観てもいいんじゃないかな、と思いました。
現実の家族関係の、じんわり、ヒヤッとする嫌さがうますぎるのと(キムタクの使い方が良い。キムタクの使い方をいちばんわかってるのが駿監督かもしれない。実写でもああいう役をキャスティングするべきw)「これはいつか見た夢だ、ここ夢の中で行ったことある場所だ、どこかで会った人だ」 という 既視感の扉が開かれて、ドカドカ呼び覚まされるのがすごい。ハヤオ私の夢をのぞいたのか!? と思ってしまった。
あれほど、眠っている時に見る夢の世界を旅して見てきたように写し取り、1本の作品にしてしまう駿監督は その点はやっぱりもう生ける人のリミッターをはずしてしまったというか、彼岸に片足をつっこんでいるクリエイターだなと思いました。(そんな神様になりかけた人の下で働くアニメーターの方々は大変だな、とかも思いました)おもしろかったです。
あと映画館に行って 『教皇選挙』 も観ました。公開してしばらく経ってる田舎の映画館でも、すごく混んでた。リアルコンクラーベ効果でしょうか。鎌倉殿の13人が好きな人はきっと好き、というクチコミで笑 観に行きましたが、ウワサに違わぬ楽しい話だった! ネタバレ厳禁のストーリーなので詳しく触れないけど、映像は美しく、人の心はいやらしくて、おもしろかったです!