個人的に この夏の課題図書だったもの。
日本歴史時代作家協会賞、受賞おめでとうございます!
法蓮房(長井新左衛門)、斎藤道三、斎藤義龍、 の三代の 「国盗りミステリー」です。
長良川の戦で道三を討ったとされる小牧源太が創作色の強い人物として登場し、齊藤家三代に供をする役割を担います。
源太は法連房・道三の父子両方から「もし自分が魔道に堕ちたら斬って欲しい」という願いを受けて仕えていました。はたして道三は魔道に堕ち狂気に取付かれたから 息子と戦い、死んだのでしょうか...??
...いろいろ感想を書きたいけど、歴史小説であると同時にミステリなので...! 面白かったところを語ろうとするとネタバレになってしまう! 『麒麟がくる』 の斎藤家が好きな方はぜひ読んでとしか言えない...。義龍様(作中では別の名を名乗っておられる)が、伊藤秀明どので想像するとピッタリな素敵な美丈夫として登場します。
https://twitter.com/musketeers10/status/1225721111150841861?s=20
【拡散希望】
— 木下昌輝2600 (@musketeers10) 2020年2月7日
まむし三代記、発売!!
通説とは違う芸術と家族を愛する、優しすぎる斎藤道三が主人公。そんな男が、毒殺暗殺謀略を駆使し下克上する。その裏にあった国滅ぼしという凶器。しかも連載作品だったのに、なぜか完全書き下ろし作という謎(答は後書に有)。#麒麟がくる の予習に最適!! pic.twitter.com/3UDvUALLWq
読み終えて本書の装丁を見返して、「これだ!」ってハッとする結末だった。読む前は何気なく眺めていたこの表紙に物語の重大なヒントが描かれていたんです! そして自らの尾を咬む蛇・ウロボロス…円環を描く…巡るもの……!
応仁の乱から場所と時を移し、流れ流れて乱世に楔を穿つ者の元へ...。最終兵器と目される秘密、 『国滅ぼし』 がその者の手にわたるまでの、長く血塗られた「まむし」一族の旅路。
戦闘シーンは保証つきのかっこよさです。大陸から伝わった棒術と武器を操る法蓮房、道三と、その家臣たちの疾走感あふれるアクション!
道三が振るう 「蛇矛」 を調べたら、だいたいゲームに出てくるファンタジー武器のグラフィックばっかりなんだけど...元ネタは張飛の得物か...なるほど矛先が蛇の舌でした。
張飛といえば三国志に詳しい人は、登場人物の口から董卓の名前が出てきた時点で真相にピンとくるのかな...(私はまだ三国志読んだことない)?
作品の至るところ、ターニングポイントとなる時に、中国から渡ってきたもの、が散りばめられています。
そういえば来年の大河ドラマが 『経世済民』 と向き合う人物が主人公なのだった。道三様、時代をめちゃくちゃ先取りしてる...。麒麟でも垣間見えたけど、道三様の経済センスは祖父や父から受け継いだ血だったんだね...。
麒麟がくるの再開を待っている皆様、ぜひ齊藤家が仕組んだ 『国滅ぼし』 の正体と意味を、ぜひ読んで確かめてください...。これもまた、「麒麟が持つひとつの『顔』」かもしれないです!!