ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

鎌倉を訪れたくなる物語 『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』『鎌倉駅徒歩8分、また明日』

読書感想文です

 

訪れたことがある場所がたくさん出てくるので目を閉じると情景が浮かびました。

主な舞台となるのが北鎌倉駅鎌倉駅の横須賀総武線沿いの西側、住所で言うと扇ガ谷です。ここに主人公が住む、父親から受け継いだ大正建築の洋館、カフェ兼シェアハウスがある。

確かにこの辺は観光客はいるものの地元に古くから住んでいる人の宅地で、そのくらい古そうなお宅も建ってる。その間にお寺や神社、博物館美術館・カフェや商店がある、緑の多い地域ですね。紀伊国屋スーパー、ありますね。行ったことあるのは寿福寺亀ヶ谷坂、鎌倉歴史文化交流館など。

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2冊目のほうには、二階堂エリア(鎌倉宮覚園寺)も出てきます。

どちらも素敵なところだな~と思うのですが 実際住むには、経済的に、なかなかハードルが高いところだなと(笑)田舎者はたまに訪れて、良い空気を味わうに留まりますね...。

カフェの庭の四季折々の草花の色・小鳥の姿・さえずり・おいしそうな食事の彩りが、「文字で写し取る」 ように、細やかに描写されています。

物語が進み、シェアハウスで過ごした時間が増えるにつれ 住人みな良い具合に角が取れて 「磨かれた石」 のようになっていたなあ。

現代小説読んでて「こいつ嫌いだな」と思う人物は自分とよく似た人、という、マイ法則のようなものがあるんだけど、このお話では、私はぜったい三樹子ですね(笑)。だけど彼女も シェアハウスを始めた頃よりはガサツなりに性質を役立てられる場所を得て、夫とも良い畳み方を見つけられたから、私もいつか自分なりの居場所を見つけられるかな…と、投影しながらホッとしました。

他の登場人物は、私にとっては教養が高く、基本的に仕事も出来て、気遣いも出来て...つまり「ひとりでも生きていける人たちが、あえてさまざまな事情で共同生活してる」っていう世界だから。美しく整いすぎているから、まぶしすぎる。

日々食べるものを丁寧に、手間と愛情が大事...ていうのも 頭ではわかっているけど。作ることも食べることも、面倒でしょうがないまま、生きてきてしまったので。

ずっと「いつか家を出て、モノは少なく心は豊かに、血のつながりがない人との繋がりの中で、晩年を暮らしたい」と思ってて、このシェアハウスの暮らしなんてまさに理想! ではあるんだけど...ただ夢に描いてるだけで、なんも具体的に動けていないなあ。と思ってしまいました。

しまった、フィクションはフィクションで楽しめばいいのに、また己に引き寄せすぎてる。

あと「死とマイノリティは、隣にいる友人。思っているより日常にずっと近い」存在だ。というのも、テーマなのかな。と思った。この作品の世界だけじゃなく、実際にそう。

すでにとなりに 「在る」「いる」 のだということ。

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主人公・香良の誕生日が 6月13日なのです。

誕生日のエピソードが折々大切な場面として出てくるんですけど なんでその日なのかはわかる人にだけわかるので、ちょっとニヤッとしてしまいました。

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