ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

『子ども科学電話相談』回答者の先生の著書を読んでみる。《3》

3回目は今年の放送で初登場 新ジャンル『岩石・鉱物』の回答者、自称「アングラ系学芸員」西本昌司先生の本 「街の中で見つかる『すごい石』」です。 

街の中で見つかる「すごい石」

街の中で見つかる「すごい石」

 

 本来なら山や川原などの露頭へ行かないと観察できない、様々な成り立ちの岩石を「すぐ近くで・まとめて・安全に」見ることが出来ちゃう! 化石だってみつかる! なぜって街は、世界中の岩石であふれているのです! というコンセプトの本。NHKの番組『ブラタモリ』が好きな方や、路上観察系の趣味がある方にはきっと楽しいですよ。オールカラー、国内主要駅周辺の岩石観察マップ付きです。

例えば都心であれば 国会議事堂、日本銀行本館、日本橋東京都庁などの有名建造物の「石材的由来」が掲載されています。

 

一時、いわゆるパワーストーンに凝っていた時期があり(すぐに飽きてしまったのですが...)鉱物の種類、成分や生成される条件などについて 何となく予習が出来ていて、良かった、なにごともムダではないな、とw

街中で見る石材で特に好きなのは「蛇紋岩(サーペンチン)」です。暗い緑色や黒色にヒビが走り、隙間が淡い色で網のように埋まっています。タワマンやラグジュアリーホテルのエントランスの壁に使われてそうなやつです。やっぱり緑系の石に心惹かれます。

 https://twitter.com/nagoya_granite/status/1223835358300798977?s=20 h

 

ttps://twhttps://twitter.com/nagoya_granite/status/1223835358300798977?s=20itter.com/nagoya_granite/status/1223835358300798977?s=20

私も都心に出かけたとき、石壁の中にアンモナイトらしき化石を見つけたことあります。地下鉄三越前駅構内だったかな? 神保町の書店の柱にもあったような気がします。記憶がおぼろげなので、この本の写真(すべてに所在地名称付き!)やマップを参考に また行ってみよう。

 

gendai.ismedia.jp

西本先生は名古屋市科学館勤務なので名古屋駅で新幹線待ちのときなど、床の中にウニ化石を見つけるのだそうです。アンモナイトのように 見るからに貝とわかる形状のものは素人でも気づきますが、巻貝でもウズマキを横断するように切断した面が露出しないとわからないし 海綿類やウニ、ウミユリなどは元の形状や骨格を知っておかないと気づきにくいですね。

海中の堆積物が隆起し岩石になった石材には 沢山の生物の化石が含まれていることがわかりました。

 

また歴史目線としては 城の石垣についても地質学の分析を加え一章割いて語られております!

 

 巨大な石材は 時の権力の象徴...。姫路城の石垣は、官兵衛様の時代と後の池田輝政公による拡張工事の時では、積み方だけでなく石の出どころも全く違うのだそうです。

 

ちょうど新刊も出たとのことで こちらも読んで見たいと思います。

東京「街角」地質学

東京「街角」地質学

 

 

次回は 世界を巡り発見を続ける恐竜研究者・小林快次先生の本です!

恐竜まみれ :発掘現場は今日も命がけ

恐竜まみれ :発掘現場は今日も命がけ

  • 作者:小林 快次
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)