ソードワールドRPGから、とりとめもなく連想したこと。
前置きが長くなってしまうけど、
コレはサイコロとルールブックを使い、数人のプレイヤーと
ゲームマスター(仕切り進行役。大抵シナリオライターを兼ねる)で卓を囲んで遊ぶという、
早い話が「電源いらず多人数プレイ専用ドラクエ」って感じのゲームです。
想像力を働かせながらプレイヤー間の会話によって作戦を練り、行動を決めるので、無限の選択肢と結末があるところがTVゲームとの大きな違いで、そこが面白くもアリ、難しくもアリ。
プレイヤーはルールの範囲で好きな種族や技能を選び、架空の世界に住まう自分のキャラクターを作成します。
選択した種族や技能によって、得意なこと、出来ないこと、すべきではないこと、等の特徴が生まれます。
この各キャラの得意分野を生かし、協力してミッションを解決していくことが、このテーブルトークRPGというジャンルのキモ。だと思います。
で。
このソードワールドRPG(以下、SW)では「プリースト(神官)」というひとつの技能
(必ず職業と一致するわけではない)が存在します。
TVゲームで神官とか僧侶というと、役割としては大体
回復魔法で傷や毒を治したりするサポート役ですね。
もちろんSWでも、神官さんはそういった癒しの力を使うのも重要な役回りです。
さらに、SWは多神教で、どの神を信仰するかによって少しづつ特殊能力が違います。
のみならず(ルール的にしっかり決まってはいないものの)神様の性格によって神官が
とるべきふさわしい行動指針も示されています。
信仰する神を自分のキャラを立たせるのに利用出来るのがいいですね。
戦いの神の神官は勇猛果敢、知識の神の神官はウンチク好き、とか。
神官のプレイヤーが信仰に反する行動ばかりすると、ゲームマスターは権限により「神様に見放された」という形で、プリースト技能を使えないように宣言することも出来ます。
能力的な制限は少ないプリースト技能ですが、この「信仰心」がというのが必要にして最低限なわけですね。
まあ、聖職者が悪逆非道の限りをつくしたら仲間も退きます。当然ですわな。
困るのは、その逆・・・というか。
行き過ぎた熱心はゲームでも敬遠される、ということ。
実際、自分がプレイに参加していて経験したことです。
SWの有力神のひとつに『ファリス』という神様がおります。
この神様の教義は「あまねく正義を広めること」というものです。別名「至高神」などとも。
ファリスのプリースト技能を持つキャラクターを使うなら、キャラがファリスの教えにかなうように役を演じながらゲームに参加することになります。
「正義」の解釈なんて、現実世界でだってあいまいですから、その辺はプレイヤーの判断にゆだねているわけですが。
ある時、あまりに「正義、正義!」と唱え過ぎて、暴走するファリス神官の方がいらっしゃいまして、
一緒に遊んでいる方としてはちょっと首をひねるようなことがありました。
例えば、悪事を働いた人やモンスターを見つけるなり殺そうとする。
街での作戦は賄賂・偽装・根回し工作も大切なのに、一切それを認めない・協力しない。など。
プレイヤーは役になりきっているのでしょうが、ヒントも伏線も踏み潰されるので
ゲームマスターも困るし、ゲームも次の展開に進みません。
別の弁が立つキャラ(のプレイヤーさん)が説得することで、作戦を進めましたけど。
どんなに正しいコトでも、固いアタマでガンガン押し通そうとすると、カドも立つし
周りがついていけないし、こりゃ小悪党より始末が悪い・・・。
・・・ちょっと現実の縮図を見たような気がしました。(笑)
その点「へっぽこーず」のイリーナ嬢は臨機応変な正義感の持ち主で良いなあ。
イラスト可愛いしv
ゲームの世界くらい自分と違うヘンな人を演じればいいのに、
どうしても程ほどニュートラルで中途半端なロールプレイしか出来ないワタシなどからすれば、
そのくらい極端なのが羨ましくもあるけどね・・・(笑)。