ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

『カーズ/クロスロード』を観ました。

実写真

毎月1日は映画の日なので、映画館に行きました。息子に「ポケモンとカーズ、どっちがいい?」と聴いたら

カーズがいい、ということで、『カーズ/クロスロード』にしましたが、めっちゃよかった~! 親子そろってシリーズのファンで良かった、と思える作品でした! 安心と信頼のピクサーやで...

(以下、ややネタバレを含みます)

ピクサーと言えば必ずある、同時上映の短編『LOU』も、当たり前のようにすごかった...縦横無尽に魂を持ったおもちゃ(擬人化ではない、そのものの)が動き回り逃げ回るアクションが圧巻です。セリフはないけれど短時間で泣かす...。

この「LOU」というタイトルって何のことなのかは、観てのお楽しみなのです。

劇場内みんな「前2作のDVD、何十回観たかな」っていう親子連ればかりで(うちもです)とても一体感がありました。もちろん前作観てる前提の作品です...というか第1作の正統続編でしたね! あのキャラもこのキャラも戻ってきて安心しました!

1作目の人気主要キャラクターで、2作目では登場しなかった元チャンピオンの老レーサー、ドック・ハドソンの過去が、深く掘り下げられるというまさかの展開でした。

「先へ進むために過去を振り切るのではなく、振り返ることも必要だ」ということ、先人が持っている智慧や明るさがつまづいた者に道を示してくれる、というのが、アツい...とてもアツい。

中盤で「アッこれそっち...? そういう展開か??」とわかっちゃうんだけど、悲しくはなかったな。

何しろこの世界、古い車のじじいとばばあが超元気でw「人生はそう簡単に終わらない!」という、高らかな宣言を聴いたような気がしました。

新鋭を打ち負かし復活する、というリベンジ物語では、なかった。時の流れには何者も逆らえない。でも、ソレで良かった。

レースで勝つことがすべてだった、若き主人公・マックィーンに「ほんとうの『勝者』とは何か?」という(作品世界からの)問いは1作目で投げかけられていて。

その問いに、ベテランの域に入ったマックィーンがあのような形で答えるに至った...というのは、安直な表現ですが子どもの成長を見たような感動がありました。

車の擬人化という、きわめて空想の世界のキャラクターながら、ひとりの天才レーサーの ルーキー期~絶頂期~引退を迫られる危機までを丁寧に追いかけた、リアルに共感できる人生大河ドラマだったんだな。というか3作目まで時を重ねて、そうなったんだなぁと。

マックィーンの友人であるメーターはじめ、ラジエータースプリングスの住人たちもしっかりと陰に日向に「イイ仕事」をしてくれていました! スポンサー会社兄弟の粋な心遣いにも涙が...。

奥田民生さんの日本版EDよかったです! もともと民生氏の雰囲気がそうなんですが、古びたバイクにまたがる姿が似合う、枯れたような、脱力かげんと荒々しさが両立してるというか。

「中年に差し掛かり、勢いだけでは進めなくなった男が岐路に立つ」という、今回の映画の世界観にすごく合っている...思わず息子も覚えて歌ってしまう、キャッチーさもあり。

あと、レースシーンの迫力は勿論、水とか草とか土砂とか 難しいと思われる自然物のCG表現がますます狂気じみてリアルでした。

前作まで観てからが圧倒的におもしろいですし、特に第1作目「カーズ」が好きだったという方々に是非お勧めです!