ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』を観ました

忘れないうちに観た映画メモ!

KUBO/クボ 二本の弦の秘密』という、米スタジオライカ社制作、昔話のような中世日本を舞台にしたアニメです。

この世界の片隅に』とならぶ「かけてる映画館も宣伝も少なく、クチコミで評判を知って観に行ったら大当りだったアニメ」でした! オススメしたいから上映館増えないかな!

家族愛がテーマではあるけど「血の繋がり=家族」ではない。血縁の束縛を引きちぎって投げ捨てた後に残ったものみたいなところが今風でもあるし、自分ごのみでもありました。

美術技術面の事は語りつくせない...すご...すごい ひたすらすごい...言葉を失う。バトルもアクションもあるよ~動きすごいよ~。

この時代に一コマ一コマ、人形を少しずつ動かして撮影されたストップモーションアニメなのです...。メイキング映像はコチラから見られます!

少々ネタバレになりますが、「地上としっかり縁を結び、月に帰ることを拒んだかぐや姫のその後、という『竹取物語』イフストーリー」

とのコメントに膝を打ちました。他にもたくさんの日本の神話・寓話・伝承・芸能・サブカルチャーへのオマージュが盛り込まれているんだろうなって。

ビジュアルでわかりやすいのは、試練として登場する巨大なドクロの怪物が

歌川国芳の浮世絵『相馬の古内裏』をモデルにしているところとかですね。わからないから識者元ネタ検証して...。観た人には知ってる作品・好きな作品と重ね合わせて「これが元ネタじゃない?」って語って欲しいです。

主人公の少年クボのキャラクター(姿や境遇、運命や特異な能力など...)は 桃太郎と鬼太郎のハイブリッド種だな~、と見てる最中に気づきましたし、その後思いついただけ書き出すと

・「子連れ狼(原作)」の大五郎

ゲゲゲの鬼太郎

・桃太郎

柳生十兵衛

梵天丸(伊達政宗

・「バガボンド」の佐々木小次郎

・「ブレイブストーリー」のワタル

...こんな感じ?

クボはそんな少年キャラクターのおいしいトコ取りな主人公で、めちゃくちゃ可愛いです。

もちろん他の仲間たちや敵キャラも。ワタシはクワガタが好きです...吹き替え声優ピエール瀧氏(のライトサイドw)の本領発揮...戦えるオラフ...!

本当に「日本が大好きなアメリカ人が作ったけど、なんかこの日本違うなー?」っていう「海外作品に出てくる日本あるある」がとても少ない(皆無ではない。でもきっと日本人が描く、例えばジブリ作品のヨーロッパの描写もあちらに持っていけば、きっとそういう違和はあるんだろうなと)。

「和っぽい世界観」に留まらないように、愛だけじゃなく知識として作品に反映させるように調べたんだと感じます。

そして、クボは三味線を弾き「物語る」ことを生業としているのですが、この「物語ること」「生きること」を重ね合わせる描き方や、終盤の「語る人がいる限り物語の中で生き続ける命がある」「語ることが人を救うことがある」という、制作者の「物語の持つチカラ・それに寄せる信頼感」が感じられて、すごく共感できたので...

細かい要素より何より、それでワタシはとても好きな作品になりました。「国境を越えて、しっかり届いたよ!」と伝えたくなりました。

公開している劇場が少なくて、これから口コミで評判が広まれば増えていくかな...と思いますが、是非お近くで公開されたら足を運んでいただきたいです。

特に自ら創作をされる方や古くから伝わる物語が好きな方は、心を揺さぶられ、掻き立てられるものがあると思います!