ドアの猫穴

日々思うこと・感想文・気軽に出来るボランティア情報とか書きます。

(少しだけオリンピック開催の是非と)夫の働き方とのこと。

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あいかわらず仕事で忙しく、ひさびさ家にいる夫と、オリンピックの話題になったら

彼の考えは「やるしかないでしょう。予算ついて人が動いて作っちゃってる。準備したものは予定通りやらないと、損失が莫大になる。」って。

完全に都や組織委員会から請ける業者側の目線でした。

身近で「開催肯定/やむなし」の意見の人に初めて会った、しかもそれがうちの夫だったので、驚きました。そして悲しかった。

 (私はまず前提としてオリンピック開催 どうあっても反対です。その気持ちが日を追うごとに強くなっている)

 

それから「そっか、こんな働き方をしている人が『仕方ないけど、五輪やるしかないよね』と考えるのは、当たり前だったな」と、すぐに感じました。

  夫の仕事に対する姿勢と、「オリンピック、経済や感染症がどんな状況でも何がなんでもやる」というおかしな時勢は、「似ている。ひとつながりだ」と私は感じました。

日本のおおきな組織・権力が、大きな額のお金を動かす事業の底に、ずっとあり続けるもののような気がします。

 

 

その中心にある呪文のような言葉があって...

夫が言う「途中でやめられないから」という言葉。

それは時々「しかたないから」という言葉とセットになっています。

キーワードは「現状の維持・追認」でしょうか...

 夫は仕事と関係ないことでも「現状維持できればいい」とよく言う人です。

今がいいので、今の状態を続けたいと言います。

 

私は違います。理由は3つ。

 

ひとつめは「今がいい」などと、思ったことが一度もない(これは私がそういう性格なだけ)。

 

ふたつめは「現状は、維持『できない』、決して」と思うから。

だって人は 成長して独立していったり老いたり病気になったりして、変化していく方が自然なので。変えていくことで対処するものだ、変えていかざるを得ないものだ、と思う。私が子どもが生まれた後に働き方を変えたように。息子が学校に行くのをやめ、ペースを変えて勉強し始めたように。

そんな個人個人が構成する社会も、そうでしょう。今起きているのは世界全体で蔓延する病という、誰も望んでいなかった不測の事態。我慢ばかりでいやになっちゃうけど何よりも最優先の課題です。

 

みっつめは 単純に夫の生活が、とても「これでよい」とは思えないから。

 

彼は週3日くらい職場に泊まっています。細かくはわからないけれど、とにかく終わらないのだそうです。

本来泊まるような職種ではないので、会社近くのコンビニの駐車場に車を止め寝袋で眠るか 近くのネットカフェでシャワーを浴びて寝るかなどして、生活しているそうです。(車に宿泊セットを積んでいる)

リモートワークは出勤しなきゃやる気が出ないということで、していません。自家車通勤なので 極端に通勤の感染リスクを恐れなくても良いかなとは思いますが。

 2,3年前までは 遅くなっても家に帰ってきて寝ていましたが、だんだん年を取り疲れて運転するのが危ないな…と感じるようになり、帰宅途中で仮眠するようにしたら、朝まで寝てしまうのでそのまま出勤する…ということが習慣になり、今に至ります。今のところ大病はしていませんが、もう無理な働き方は出来ない体なんだと思います。

 

こういった生活のリズムが続いています。コロナ禍で返って家にいない・帰らないことが増えました。 もちろん会社には黙って居残ってるので 残業代は出ません。

 

家にいるときはずっと布団です。寝ているか、スマホで動画を見てごろごろ過ごします。体も頭も疲れ果てていて何もする気が起きないんだと思います。用がなければ1日そうしています。私も話しかけません。家にいても、いないようなものです。

 

転職はしたくないとのことです。

会社の近くに部屋を借りて単身赴任のように住むことを、提案したりもしたのですが 彼は「そしたら本当に帰れなくなり、別居になってしまうのでそれもしたくない」ということでした。 

  

彼は学校を卒業して、今の会社に入って とにかくついていこう、と頑張っていく中で「世の中とは、こういうところなんだ」というのを ひとつの会社でもって学んだ気になっているのではないかと。いや、すごく言い方が悪いんだけど。

若い時からじっくりと時間をかけて洗脳された。日本の大きな会社の社員育成ってそういう傾向があるんだろうなと思う。思想まで教える。同化を促す。会社の意向=社員の意向、に異議を持たなくなってくる。「この組織を維持すること」が、働くことのいちばんの意義なんだなあ、と。

 

彼の職場にも 長時間労働のせいかはわかりませんが 早くに亡くなる人も病気になった人もいます。

それに若い人はどんどん辞めたり休職したりするそうで、そのぶん自分がカバーするからなおさら帰れなくなる…と嘆いていました。

それは勤めている個人の問題ではなく働かせる会社側、環境に問題があるのではないかと、思えてならないです。

若い人たちは「会社=自分をささげる場所」とは思っていないから、様子を見て、離れていくのでしょう。勤め始める前から「ほかの場所もある」という意識が強いのでしょう。

   

もっと私が強く 彼に「他の暮らし方もある」「体のために休んでほしい」と言えればいいんだけど。

これ以上話題にのぼると お互いの考え方がほんとうに真っ向からぶつかってしまい、唯一ともいえるくらいの一緒にいられる人との関係が割れてしまうような。夫婦仲がますます良くないことになりそうで、話を打ち切ってしまった。とりあえず衝突回避というか...自分の弱さです。

 

 何より子どもたちを育てていくうえで 私が好きになれない、彼の勤め先から受け取るお金が、なくてはならない。今すぐ自分が夫の代わりに同じくらい働いて稼ぐことはとても難しい。

「稼いでいるのは彼だから」という事実に、黙ってしまった。

 この人と同じくらい稼いてたら「やしなってやるから、やめな!」って言えたのかな。

でもそんくらい稼げてたら、たぶん自分は結婚という選択をしてなくて、子どもも産んでないか!

というか自分が「稼げてるか・稼げてないかで発言権があるか・ないか」みたいな、そういう考えに、支配されてるのがわかって、モヤモヤする!

 

というふうに、頭の中がめちゃくちゃです。

 

私にとっては行動のワクを作ったのが生まれた家(とくに母親)だけど 夫にとっては会社 なんだろうなと思います。本当に深く食い込んでる価値観だからすぐに変われないことは、よくわかります。

 

でも変えないと...とも思う。2年前、いや1年前と比べても環境が変わったのだから。 

 あまりにも夫が「ありもののしくみに適応する」ほうへ、それはもう「過剰適応」というくらいに 自分を会社の雰囲気、仕組みに押し込めているように思えてなりません。

そのやり方で、あなたの私の、子どもの命や(心も含めた)健康は守られるか? 仕組みが変えられるとは、思ったことはないのか?? と、歯がゆい。

はた目にはすごく苦しそうなのに「自分で選んでこうしてるんだ」「今がいいんだ」って。

長いこと一緒に暮らしてきたのに見えてる景色が違いすぎて(かんたんに言ってはいけないことだけど)絶望感があり 愕然としてしまいます。

 

それでも繰り返し「私は貴方とは違う考えで、こう思っている」ということは話していきたい。あきらめたくないなあ…と。

 

まとまりませんが 今一番自分にとって重くのしかかってることについて、吐き出してみました。