家族が貸してくれた ヨシタケシンスケ氏のスケッチ+エッセイ集、1冊目が売れたので「欲が出た」第2弾だそうです。(第1弾は知りませんでしたが...)
子どもいるのに、私自身はまったくヨシタケさんの作品に縁がなかった(子どもは学校で親しんでいる。この本読んでたら「あっヨシタケさん!おもしろいよね」と言ってた)。避けてるわけじゃないけど、店頭で表紙を見たことしかなくて、初めて読んだ。
この方、絵はトボケタ作風だけども、強く哲学的な思考で、目に映る世界の本質みたいなものを切り取ってるなあと思いました。「『納得したい』、という欲が強い」という言葉に集約されてると思います。それは、哲学する者の欲ですよね。スケッチだけ集めたページは、出落ちひとコマ漫画みたい。おかしくて吹き出しちゃいます。絶妙なバランス。
心に留まったエッセイの項目→
「引力の強すぎるものには近付かないようにしています」
「心にはめる軍手」
「正しいかどうかではなく『気がすむ』かどうか」
「キミの一部が欲しいんだ」
「すごく好きはすごくきらいになっちゃうかもしれないから」
特に「引力が強すぎる、魅力的な存在に心酔し、離れられなくなるのは怖い」ということや、
「すごく好きは容易に大嫌い(アンチ感情)に転化することがある」 については、ずっと気になっていて、わたしも「難しいけどちゃんと書きたい、書かねば...」と、勝手に課していたことで、
そういう面と向かうのがしんどい、また何となくウヤムヤにしておいてもいい問題を的確にとらえてサラリと言語化しているのが すごい力のある書(描)き手さんだ~!! と思った。
子どもが手にとる可愛いヒット絵本を描く人が、性格まで可愛いわけじゃない。切れ味鋭い感性を隠し持っている、と感じる本でした。