昨年の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』 の放送時、リアルタイムでWeb連載されていたレビューが書籍化されたので、さっそく読みました。
まず前提として、視聴完走済みの方を対象に、ディープに考察を深めたい向きへの内容です。
いやあ...ゆっくり読もうと思ってたのに、一気に読んでしまったぜ…! やっぱり「クドカンの『いだてん』は絶品」ですね。
拙ブログにも感想を書いてましたが... ただでさえ複雑な重層構造のいだてん世界、たくさんの見逃していた視点、映像表現(構図など)のテクニカルな解説、より細かい台詞回しに込められた意図(たとえば、田畑政治を愛称で呼ぶ / 呼ばない場面で何が違うのか、など)を より詳しく知ることができ、作品への愛着が増しました。
「落語・マラソン・オリンピック、すべての 『バトン』 を受け継ぐ者としての五りん」 という考察は、私も感じていたところだったので、意を得たり、ととても嬉しかったです。
初版の帯に書いてあるように、これは「新しい近現代史の教科書」、スポーツと政治の関係、風俗・文化史の手引きになりうると思います。
昨日、NHKの大河ドラマ枠で放送されていた特番 『麒麟がくるまでお待ちください』でも、大河ドラマというこのシリーズ枠における、裏方の皆さんの並々ならぬこだわりが紹介されていて...。
小道具・セット・撮影技術というハード面と、脚本・そこから展開する役者さんの演技、というソフト面と...、どちらにも細やかに気を配り、説得力を持たせ、物語を立体的に立ち上げ、伝えるための工夫が凝らされまくっているんだな...ということを 改めて感じました。